再生医療の豆知識

最新の技術であごの骨を再生!歯の再生医療について

2018年12月13日

これまで、歯を失った部分に行う治療といえば、入れ歯や差し歯などが主流でした。しかし、近年になり、人工の歯根を使ったインプラント治療が注目を集めています。見た目が美しく使い心地もよいとされるインプラントですが、治療を受けるにはいくつかの条件があります。この記事では、再生医療ともかかわりのあるインプラント治療について紹介します。

失った歯の治療のひとつであるインプラント

失った歯の治療のひとつであるインプラント
これまで歯を失うと、入れ歯やブリッジなどの治療が行われていました。しかしながら、これらの歯の治療は、見た目に違和感があったり、天然の歯と同じように食べ物を噛むことができないというデメリットがあります。
近年、新たな治療法として広まりをみせているのがインプラント治療です。インプラントは、歯のない部分に金属製の歯根を埋め込んで、人工歯をかぶせる治療法のことをいいます。また、インプラントは金属製の歯根を指す言葉でもあります。

インプラントは、入れ歯やブリッジと比較して、天然の歯のような見た目で、自分の歯と同じように食べ物を噛むことができます。インプラント治療は保険適用がされないため、治療費用は全額児負担となります。一方で、見た目の美しさや使い心地のよさから歯を失った部分にインプラント治療を選ぶ人も増えてきています。

インプラントを受けるにはあごの骨が重要

歯のない部分にインプラント治療をするときに、歯槽骨と呼ばれる歯を支えるあごの骨にインプラントを埋め込む必要があります。歯を失う原因には、虫歯や歯周病、事故などさまざまなものがあります。特に、日本人の歯を失う原因として多くを占めるのが歯周病です。
歯周病は、歯肉や歯の周りの組織に炎症が起きている状態です。歯周病は日本の成人の8割がかかっているともいわれており、自分が気づかないうちに症状が進行してしまうケースも多くあります。進行した重度の歯周病では、歯槽骨までに炎症が及び骨を溶かしてしまうこともあります。
インプラントは歯周病で歯を失った患者さんにも行われる治療ですが、歯槽骨に厚みがなくなってしまうと、治療を受けることが難しくなります。

歯槽骨をよみがえらせてインプラント治療を受ける

進行した歯周病で歯槽骨が少ない人、生まれつき歯槽骨が薄い人には、本格的なインプラント治療を行う前に、歯槽骨を増やす治療が行われます。ここでは、インプラント治療で行われている歯槽骨を増やすための治療について説明します。

自分の骨を移植する方法

歯槽骨が薄い場合にインプラント治療の前に行われるのが、「自家骨移植」と呼ばれる治療です。自家骨移植は、文字通り自分の骨を移植するもので、よく行われている方法です。一般にインプラントのための自家骨移植では、治療部位とは異なる部分のあごの骨を一部取り出します。実際のインプラント治療は、骨移植から半年ほど待つ必要があります。
なお、骨を取り出した部分は、骨が再生するので元の状態に戻ることができます。

人工骨を埋め込む方法

上あごの奥歯などには空洞があるため、インプラントを埋め込むのための骨の高さが不足しがちです。ここで、骨の高さを十分にするために、人工骨や骨に代わる充填剤を入れて、骨の高さを出す治療法があります。

再生医療で歯槽骨を厚くする

インプラント治療では、再生医療も取り入れた治療法も行われています。再生医療は簡単に言えば、失われた部分の細胞を再生して治療することいいます。再生医療は、臓器移植に代わる新しい治療法として、注目を集めている分野です。
インプラント治療で行われている再生医療は、歯槽骨の再生を促す治療法が行われています(「GBR法」と呼ばれています)。具体的には、歯槽骨の薄い部分に、骨の成長をサポートするたんぱく質を埋めて、自分の骨の再生を促していきます
歯槽骨が再生するには半年程度かかりますが、人によっては1年かかることがあります。GBR法は、インプラント治療の前に行われるのが一般的ですが、骨の状態によってはインプラント治療と一緒に行われることがあります。

今後は歯そのものを再生する治療も?

今後は歯そのものを再生する治療も?
歯科分野の再生医療は、歯の周りの組織や歯槽骨など骨の治療にとどまっています。細胞や組織の再生には、血管など歯の再生をサポートする組織が重要となります。しかしながら、歯の場合、ほとんどの構成成分が無機質であるため、再生は容易なことではありません。
一方で、近年の再生治療の進歩はめざましく、近い将来を丸ごと再生できるようにするための研究も行われています。今後、歯科分野の再生医療が進む中で、自分の細胞から歯が再生できるようになる未来もそう遠くはないといえるでしょう。

まとめ

近年、注目されている再生医療では、インプラント治療でも取り入れられている治療法です。歯槽骨やあごの骨の量が少ないことで、インプラント治療が難しいといわれた方は、再生医療など、骨を増やすための治療法を検討してみるとよいでしょう。


^