再生医療の豆知識

本当に安全?再生医療にまつわる法律と医療機関を選ぶときのポイント

2018年12月16日

近年、新たな治療法として注目されている再生医療は、現在さまざまな診療科において応用化についての研究がされています。一方で、具体的には、再生医療を行っている個人クリニックで逮捕者が出るなどのニュースなどを見聞きしたことのある人もいるでしょう。再生医療について、なんとなく怪しいイメージを抱いている人もいるかもしれません。この記事では、再生医療の安全性を確保するための法律について紹介します。

再生医療と今までの医療の違い

再生医療と今までの医療の違い
人間の細胞にはもともと再生能力が備わっているのは、多くの人がご存じでしょう。一方で、病気や事故、加齢などで、特定の組織や器官が損傷したり失われたりした場合、生理的な再生ではカバーできないケースが多くあります。
現在の医療では、失われた機能に対する対症療法を行うものです。一方で、病気の治療が長期化したり、患者さんや家族の生活の質までは回復できないこともしばしばあります。

失われた器官や組織を根本的に治療する方法として、移植治療があります。移植治療は、他人の臓器を用いるため、拒絶反応が起こったり、ドナーの不足したりするなどの問題点があります。

これらの現代医療の解決策の糸口となりうるのが再生医療です。再生医療とは、身体の外で培養した組織や器官を移植したり、細胞の再生や修復を促す物質を投与して、損傷した組織や器官の再生を促す治療法です。再生医療は、ES細胞やiPS細胞をはじめとして、さまざまな診療科で研究がされており、一部ではすでに実用化がされています。一方で、再生医療を用いた治療を受けるときに、注意したいのが安全性についてです。

再生医療を取り巻く法律

日本では、2014年より再生医療の安全性の確保や実用性を高めるために、再生医療に関する法律が施行されました。それ以前までは、個人クリニックなど医療機関ごとに、独自に再生医療を用いた治療法が行われて、一部で大きな問題に発展することもありました。国内で新たに制定または改定された再生医療にまつわる法律は以下のものになります。

再生医療等安全性確保法

再生医療等安全確保法は再生医療が安全に提供されるために、制定された法律です。この法律では、再生医療をリスクごとに以下の3つに分けています。
・第1種:ES細胞、iPS細胞など(高リスク)
・第2種:幹細胞など(中リスク)
・第3種:体の細胞を加工したもの(小リスク)

再生医療を提供する医療機関は、治療に関する計画書を作成し各カテゴリーごとに専門委員会で検討します。その後、厚生労働大臣の許可を得て、医療機関での再生医療の提供が可能となります。

再生医療等安全性確保法が制定によって、医療機関で行われている再生医療を把握できるようになりました。また、再生医療の治療を行うのにあたって、細胞の培養や加工施設に一定の基準を設けているので、安全性が確保が努められています。

薬事法改正法

薬の製造や販売にかかわる法律に薬事法という法律があります。これまでの薬事法は、新しい薬が承認されるまでに、多くの治験が必要とされ、10年はかかるとされていました。今回、薬事法改正法が制定されて、再生医療の薬のカテゴリーが追加されました。
再生医療を用いた新しい薬は、販売後に安全性の再承認を受けることで、薬そのものの承認が早く行われるようになりました。このように法律の改定によって、再生医療を用いた治療の実用化がされやすくなるような配慮がされています。

再生医療を受けるときの注意点

再生医療を受けるときの注意点
現在、再生医療を用いた治療は多岐にわたります。再生医療を使った治療や医薬品の中には、保険適用のものもありますが、ほとんどは自由診療となります。そのため、再生医療を用いた治療法を勧める一部の医療機関もあるのが現状です。医療機関で再生医療を受けるときは、次のことに注意するようにしましょう。

厚生労働省の認可を受けている医療機関を選ぶ

近年でも、無届けで再生医療の提供を行って、業務停止を受けているクリニックも見受けられます。再生医療を受けるときは、治療を受ける医療機関が厚生労働省の許可を受けているか確認しましょう。

再生医療認定医のいる医療機関を選ぶ

国内では、日本再生医療学会があります。再生医療を受けるときは、治療を受ける医療機関に日本再生医療学会の認定医かどうか確認しましょう。

セカンドオピニオンを聞く

画期的な治療法である再生医療ですが、病気や症状の進行によっては必ずしも第一選択になるものではありません。再生医療の治療を受けるときは、かかりつけの主治医に相談してから決めることをおすすめします。

まとめ

現代医療の新しい治療法として期待されている再生医療ですが、安全に行われる必要があります。再生医療を用いた治療を受けるときには、ご紹介した内容を参考に医療機関を選んでみてください。


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