再生医療の豆知識

肥満は男性ホルモンを減少させる では、肥満とAGAの関係はどうなる?

2018年12月25日

太ると、男性ホルモンが減るといわれています。AGAは男性ホルモン(テストステロン)が多い人がなると世間ではよくいわれていますが……。
もし、これが本当の話なら、ハゲたくなければ。太ればいいということになります。
そんなバカな!?
しかし、太った薄毛の人、割とよく見かけます。
これから、噛みあわない、すっきりしない問題解決に挑んでみたいと思います。
毛髪科学はまだまだ不明な部分が多いのですが、読んでくださる方に納得していただける内容になればと思っています。

肥満と男性ホルモンとの関係

肥満と男性ホルモンとの関係
肥満が男性ホルモンを減少させることは医学的にも立証されています。
メンズヘルスクリニック東京の医師が行なった肥満とAGA研究によると、肥満の極初期である肥満指数BMI25(肥満度Ⅰ)から男性ホルモンの減少がみられたとあります。BMI25以上とは身長170cmの人であれば、72,3kg以上に相当します。

では、なぜ、肥満がAGAのきっかけになるかということですが、その前に肥満が男性ホルモンを減少させるメカニズムについて説明いたします。そのあと、肥満とAGAの関係を考えましょう。そのほうが、よくわかりやすくなります。

肥満が男性ホルモンを減少させるメカニズム

男性ホルモンと女性ホルモン、両方共、コレステロールから生成されます。
男性ホルモンは主に睾丸、副腎に少量、存在しています。
男性ホルモンを女性ホルモンに変換するアロマターゼという酵素があり、脂肪組織などに存在しています。
食べ過ぎ、運動不足などで太り始め、脂肪組織が増えてくると、アロマターゼがどんどん
活性化されます。太れば太るほど、副腎にある男性ホルモンが女性ホルモンに変換。これが肥満によって男性ホルモン減少が導かれる原因です。

さあ、いよいよ、本論に入ります。
肥満がAGAを発症させたり、進行させたりするのはなぜか、説明しましょう。

肥満とAGAの関係

AGAになる人は男性ホルモンが多いと考えている人がたくさんいますよね。
たしかに、女性よりも男性ホルモンが多い男性のほうが圧倒的に薄毛に悩む人が多いのは事実です。
だからといって、AGAになる人は男性ホルモンが多いと単純に決めつけるのは早計ではないでしょうか?
そんなに単純な話ではありません。
そこには男性ホルモンが作りだす複雑なメカニズムがあり、肥満もAGAに関与していきます。

実は男性ホルモン減少がAGAを呼び込む

実は男性ホルモン減少がAGAを呼び込む
AGAの人は男性ホルモンが多いというよくある定説に決闘を申し込んでいるような感じがしないでもないのですが(笑)……。
実は、男性ホルモンの減少がAGAを発症、進行させると考える皮膚専門医は少なくありません。

テストステロンという男性ホルモンが5α-リダクターゼによってDHT(ジヒドロテストステロン)に変換し、DHTが男性ホルモン受容体に結合することでAGAは発症します。
AGAの原因物質といわれるDHTは男性ホルモンからできることを考えると、たしかに男性ホルモンがたくさんあるからどんどん、DHTに変換されると考えてもおかしくありません。

男性ホルモンが一番、多い世代である20歳代の男性の髪を思い浮かべてみてください。AGA発症は20歳代でもあるといいますが、中高年のAGAに比べると、かなりの少数で、大体、髪はある人のほうが多いです。

AGAは加齢と共に発症例が増え、進行も早くなります。男性ホルモンは加齢で減少するといわれています。
ところが、加齢と共にAGA人口が増えています。
AGAが多い中年以降は男性ホルモンが減少しています。そこで、AGAの人は男性ホルモンが多いという説に矛盾が生じてきました。
思いきって定説を覆して「男性ホルモンの減少がAGAの原因」とすると、この問題は解決します。

まず、AGAが増加する中高年の頃、男性ホルモンは確実に20歳代よりは減少しています。テストステロンが減少するとそれを補おうと、テストステロンよりも強力な作用をもつDHTに変換されます。その結果、AGAが出現というわけです。

ただし、全てそうだと結論つけることはできません、それは個人差も当然ですが、AGAは遺伝色が濃いからです。

男性ホルモンが多くても少なくもハゲない人はハゲません

「ハゲない人はハゲない」、つまり遺伝因子がかなり関与しています。
DHTがいくら多くても男性ホルモン受容体に結合しなければ、AGAにはなりません。
また、男性ホルモンが少なくてもそのままでDHTに変わらなければ、ハゲません。
逆に、男性ホルモンが多くてどんどんDHTに変換され、男性ホルモン受容体にどんどんつかまってしまえば、AGAになり、ハゲます。

要するに、男性ホルモン受容体の感受性の強弱が決め手なのです。
男性ホルモン受容体の感受性の強弱は遺伝が関係していると、AGA治療の第一人者でAGA診療ガイドライン作成者の御一人でいらっしゃる板見智先生の本(専門医が語る毛髪科学最前線)」に記載されています。

遺伝だからといって諦めることはない

遺伝だからといって諦めることはない
毛髪科学は非常に複雑で現在でも解明されていないことがまだ、山ほどあるといわれている分野です。
AGAは遺伝だからと諦めるのは勿体ないことで、暴飲暴食を避け、睡眠を十分にとるなどの律した生活をする、また、活習慣病を予防することも治療に有効といわれています。
当クリニックでも再生医療や個人に合わせた治療を用いてAGAを改善してきました。

まとめ

肥満とAGAの関係、いかがでしたか?
まだ未明な部分を残しながらも、肥満は男性ホルモン減少を導き、AGAになりやすいというお話でした。
男性と比べ、男性ホルモンがかなり少ない女性はAGAになる人は全くないわけではありませんが、男性ほどいません。男性ホルモンが多ければ、AGA発症物質のDHTの材料だけにAGAになりやすいと考えることができるかもしれません。

しかし、AGA発症原因がそんなに単純なものではないということはこの記事でもわかっていただけたのではないでしょうか?
まだまだ、わからないことが多い医学分野である分、伸びしろも期待でき、新たな研究発表にもアンテナを張ってAGA治療の動向をこれからも見ていきたいと思っています。


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