再生医療の豆知識

ポストフィナステリド症候群 フィナステリドでAGA治療する人へ

2019年02月16日

PFS(ポストフィナステリド症候群)とは、フィナステリドを飲むのを止めているにもかかわらず、フィナステリドを飲んでいるときと同じような副作用症状(性機能低下や精子量減少など)が出てしまう病気のことです。

フィナステリドを飲んでいた全ての人がPFSになってしまうのではありません。むしろ、なってしまう人のほうが随分、少ないでしょう。
とはいえ、フィナステリドを飲んでいる人にとっては「PFSになる人」がいる以上、無関心ではいられません。

そこで、PFSにスポットを当ててみました。
まだ、はっきりとわかっていないこともありますが、フィナステリドを飲んでいる人、AGA治療をどのような方法でやろうかと思案している人は是非、最後まで読んでいただきたいと思います。

PFSが判明した背景

PFSが判明した背景
1997年、プロペシアがAGA治療薬としてアメリカ(FDA)で認可され、2005年には日本の厚生労働省も認可しました、現在では世界各国で使用されています。

ところが、2012年、アメリカのジョージワシントン大学のマイケルアーウイング博士がPFSの論文を発表しました。
これを重視したFDAはプロペシア製造元メーカーに投与中止後にも副作用のような症状が続くという警告、注意コメントを添付文書に掲載するよう指示を出しました。
少し遅れて、厚生労働省もフィナステリド関係製剤の添付文書に「市販後において、投与中止後も持続したとの報告がある」というコメントをつけ加えるように指示しました。

通常、薬剤による副作用の症状は投与中止後とともに消失していくことがほとんどです。
日本でもフィナステリド(商品名:プロぺシア)がAGA治療薬として初めて市場に出る前に当然、臨床試験を行いましたが、そのときはPFSを発見することができませんでした。

厚生労働省が添付文書に「市販後において、投与中止後も持続したとの報告がある」と追加掲載するようにわざわざ指示したことはまだ患者数が少ないとはいえ、そのままにしておけないと考えたということに他なりません。

では、なぜ、PFSになってしまうのか、はっきりわかっていない部分もありますが、研究論文や専門医の考察などを元にわかりやすく説明していきたいと思います。

PFSになってしまうメカニズム

PFSになる原因は、脳内の神経ステロイドの減少が原因という研究論文が発表されています。
今まで、ステロイドホルモンの一つである男性ホルモンは、脳からの指令を受けて精巣や副腎皮質で生成されると考えられていました。
ところが近年の研究で、脳内でも男性ホルモンが生成されることが解明されました。
脳内の神経ステロイドの総量がPFSに罹患した人は、そうではない人よりも減少していたということです。

また、正式な論文ではないのですが、脳内の神経ステロイドの減少と並行して、ホルモンのフィードバック機構に則った作用機序で考えた場合、PFSを起こすことは考えられるという内容が書かれた専門医のサイト(https://agablog.tokyo/finasteride/106)があります。
ご紹介しましょう。

ホルモンは体を一定の状態に保つ(恒常性)のに欠かせない物質

体の状態を常に一定に保つことは生命の維持に大変重要なことであり、このコントロールにホルモンが一役買っています。
このホルモン分泌のコントロールは、ネガティブフィードバック機構というシステムで行われています。

体内の男性ホルモンのテストステロン量が増加すると、脳から「作らなくてもいい」という指令がきます。
フィナステリドを飲み始めると、テストステロンからAGA原因物質といわれるDHT(ジヒドロテストステロン)への変換がストップするため、一時的にテストステロン量が増えます。
そして、テストステロンの血中濃度が上昇。さらにフィナステリドを飲み続けていると、恒常性を保つために「テストステロンは作らなくていい」という指示が脳から出されます。
やがて、テストステロンは作られなくなります。これがネガティブフィードバック機構です。
男性ホルモンを例にざっくりと大まかに説明してみましたが、つまり、フィナステリドを飲み続けることで、体内のテストステロン量が増加、よってテストステロンの体内生成が抑えられてしまうということです。
このようにフィナステリドを飲んでいる間であれば、体内でのテストステロン生成が抑制されたことで、性機能低下などの副作用は出たと納得できます。
ところが、フィナステリドを飲まなくなってもテストステロン欠乏症のような症状が出る、PFSの人がいます。
フィナステリドを飲まなくなれば、再びテストステロンがDHTに変換されるようになるため、体内のテストステロン量は減少していきます。
このとき本来なら、脳はテストステロンを作るように指示するはずです。

しかし、PFSの人は依然としてテストステロン欠乏の症状に悩まされています。先程、紹介させていただいたサイトの専門医はこの状態を「フィナステリドを飲み続けている間中、作れという脳からの指令は抑えられており、服用中止したからといってその強い抑制は簡単にはとれないだろう」と予測されています。
これらについてはそのサイトで、さらに詳しく掲載されています。

では、PFS改善のため、体外からテストステロンを補充すれば解決するのでしょうか?

テストステロン補充は専門医が行なわなければ危険

体外からのテストステロン補充は前述したネガティブフィードバック機構が動き出してしまいます。
とはいえ、テストステロン減少が原因の男性の更年期障害といわれるLOH症候群の治療には有効な治療法です。
テストステロン製剤は日本では医師が処方する薬であるため、一般人の手には入りません。そのため、個人輸入で入手し、素人判断で使用する人がいますが、非常に危険な行為です。
PFSかもしれないと感じたら、迷わず専門医の所に行きましょう。
テストステロン製剤補充にまでならず、生活習慣改善やさらなる時間経過で回復することもあるようです。

PFSになっても再生医療によるAGA治療ができる

PFSになっても再生医療によるAGA治療ができる
PFSになったからといってAGA治療を諦める必要はありません。フィナステリドはわずかとはいえ、性機能低下や精子量減少、うつ症状といった副作用が懸念されます。
当クリニックが行なう再生医療は男性ホルモンとは無関係であり、PFSでもAGA治療を行なうことができます。

まとめ

いかがでしたか?
PFSはまれとはいえ、特に子供が欲しいとお考えの人にはスルーできない疾患です。
PFSだけでなく、フィナステリドを飲んでいて、副作用に悩まされている人はぜひ当クリニックに御相談していただければと思います。


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