再生医療の豆知識

再生医療とはどんな治療法?移植治療との違いも解説

2019年01月22日

近年、新しい治療法として再生医療が注目されています。テレビやインターネットのニュースでも見かけることのある再生医療ですが、実際にどのようなものかご存知でない方も多いではないでしょうか?この記事では、再生医療の特徴やほかの治療法と異なる点について紹介します。

再生医療とはどのようなものか?

再生医療とはどのようなものか?
再生医療は、病気や事故などにより失われた器官や細胞の再生を図る治療法です。細胞や器官をどのように再生するかの要になるのが、「幹細胞」です。幹細胞は細胞や器官の元となるもので、再生医療で用いられているものです。
再生医療では、幹細胞を使って再生させた組織を患者さんの身体に移植する方法と、機能が低下している器官に幹細胞を移植して、細胞や組織の修復を期待する方法があります。

再生医療で用いられている幹細胞とは?

人間の身体を構成する幹細胞には、60兆もの細胞で構成されています。皮膚の細胞がやがて垢となるように、通常の細胞にも寿命があり、新たに補充する必要があります。ある細胞に分化させる働きを持ち、細胞の補充を行っているのが幹細胞です。
幹細胞にはいくつかタイプがあり、ある特定の細胞に分化させることができる幹細胞や、さまざまな種類の細胞に分化させる幹細胞があります。

再生医療とこれまでの治療法を異なる点

再生医療を用いた治療法とそのほかの治療法の違いについて気になっている人もいるでしょう。これまでの医療では、病気や症状に対する治療が一般的でした。

切り傷が自然に治るように、人間にはもともと、細胞を再生させる力が備わっています。しかしながら、病気や事故などによっては、すべての器官や細胞を再生できるわけではありません。そのため、医療が発達している現代においても、治療法が確立していない病気が数多くあります。

一方、失われた器官や細胞の再生を目指すのが、再生医療です。再生医療では、失われた器官や細胞を再建したものを移植したり、細胞の修復を促すことで治療をします。再生医療を利用することで、これまで症状のコントロールを中心に行っていた病気や、治療法がなかった病気について、根本から治療する可能性が期待されています。

特に、現代の日本は高齢化が急速に進んでおり、がんや心臓病など細胞の老化にかかわりがある病気の患者数が増えています。これらの病気のなかには症状の進行状態によっては、継続的な治療を必要とするケースもあり、患者さん自身の生活の質を下げる可能性も少なくありません。また、患者さんが退院後も自宅で医療や介護を必要とするケースも多く、患者さんやその家族の生活に大きな影響を与えるものです。再生医療による治療は、治療の困難な病気に対して、別の形でアプローチすることで、患者さんやその家族の生活の質を上げることも期待できます。

再生医療と移植治療の違い

再生医療と移植治療の違い
再生医療と似ている治療に移植治療があります。移植治療とは、病気や事故などにより、特定の器官がうまく機能しない場合に、自分以外の他の人の健康な臓器を移植して、機能の回復を目指す治療法です。
代表的な移植医療として挙げられるのが、臓器移植です。臓器移植は、臓器を提供するドナーが脳死状態である場合に行うものです。脳死状態のドナーから臓器を取り出すには、ドナーまたは家族の意思確認が必要になります。また、脳死になる状態は、特殊なケースでもあることから、移植治療の必要な患者さんは、臓器が提供される機会を待ち続けなければなりません。
一方で、移植治療はドナーが生きている場合の2つが行われます。たとえば、体内に臓器が2つ以上あり、1つがあれば機能できる腎臓は、生きている人から、日本でも臓器を提供されています。また、数は少ないものの、肝臓などの臓器の提供も行われています。

再生医療と異なる点は?

再生医療でも「移植」という言葉がよく使われますが、移植医療とは異なるものです。再生医療で移植されるのは、組織の修復を促す幹細胞や、幹細胞によって再生した組織になります。
移植治療では他人の身体の臓器を移植するため、拒否反応が起こる可能性があります。しかし、再生医療では自分の身体の幹細胞を使うこともできるので、移植医療よりも安全性が高いといえます。ちなみに、再生医療に利用される幹細胞は、皮膚の脂肪細胞などから採取されるため、患者さんの身体の負担も比較的少ないというメリットがあります。

まとめ

近年、研究が進んでいる再生医療は、細胞の元となる幹細胞を用いる治療法です。再生医療による治療を用いることで、これまで治療が難しかった病気にアプローチできることが期待されています。再生医療を用いた治療法の多くは研究段階ですが、いくつかのものはすでに実用化されています。今後の再生医療の研究成果によっては、不治の病とされていた病気も治療できる未来もそう遠くないといえるでしょう。


^