再生医療の豆知識

さい帯血が再生医療に役立つって本当?実際に行われている治療は?

2019年02月13日

これから出産予定の女性の中には、さい帯血について見聞きしたことのある人がいるのではないでしょうか。出産予定の女性でなくても、テレビのニュースなどで、さい帯血という言葉を耳にしたことのある人もいるでしょう。臍帯血は再生医療とも関連の深いものです。この記事では、臍帯血の特徴や再生医療への応用について紹介します。

そもそも、さい帯血とはどんなものか?

そもそも、さい帯血とはどんなものか?
さい帯血は、赤ちゃんが生まれるときのへその緒や胎盤に含まれている血液のことです。さい帯血というと、母親由来の血液と考える人もいるでしょう。しかし実際には、赤ちゃんは胎盤で、血液を介して酸素や栄養を受け取って、二酸化炭素や老廃物を受け渡しています。そのため、さい帯血はお腹の赤ちゃんの血液だけで成り立っているもので、母親の血液と混じることはありません。さい帯血は、近年、再生医療分野を中心に注目されています。

さい帯血が持つ特徴

出産時に採取できるさい帯血は、造血幹細胞という細胞を豊富に含んでいます。幹細胞は細胞の元となる細胞のタネのようなもので、臍帯血に含まれる造血幹細胞は、赤血球や白血球など血液の成分の元となる細胞です。さい帯血は、白血病など血液のがんの治療や、再生医療の研究で用いられています。

さい帯血が再生医療に活用される理由

近年、さい帯血の活用が期待されているのが、再生医療分野への応用です。再生医療とは、機能の失われた組織や器官の再生を図る治療法のことです。再生医療というと、特定の臓器を再構築するようなイメージがありますが、これらの治療法は研究段階であるのが現状です。現時点の再生医療では、細胞の元となる「幹細胞」を利用して、組織や器官の修復を促す治療法が行われています。造血幹細胞を多く含むさい帯血は、再生医療分野での活用が期待されているのです。

再生医療分野における、さい帯血の活用方法

再生医療分野において、さい帯血は実際にどのような役割を果たしているのでしょうか。すでに再生医療分野では。さい帯血によるいくつかの病気や症状の治療が研究されています。さい帯血を用いている病気や治療等には次のものがあります。
・脳性まひ
・低酸素血症
・免疫療抑制療法

さい帯血を用いた治療法のうち、いくつかの病気については積極的な治療が困難なものが含まれます。今後さまざまな研究を通して、さい帯血を用いた治療法が確立されれば、病気で苦しんでいる患者さんの未来も変えていく可能性を秘めているでしょう。

さい帯血はどのようにして投与される?

再生医療分野でも注目されているさい帯血ですが、どのように投与されるか気になる人もいるかもしれません。たとえば、白血病の治療でさい帯血が用いられる場合、造血幹細胞の移植前の処処置を行ったのち、点滴のような形式で投与されます。

さい帯血バンクについて

さい帯血バンクについて
実際に、再生医療などの研究や治療目的でさい帯血を保存する機関が「さい帯血バンク」です。さい帯血バンクには、大きく分けて公的なバンクと民間のバンクがあります。一般に、公的なバンクでは、他者の病気の治療に用いられるこを目的としており、さい帯血の保存は無料になります。一方、民間のさい帯血バンクは、将来、自分や家族が病気になったときに活用するために、さい帯血を保存します。なお、民間のバンクでさい帯血の保存する場合にには費用がかかります。いずれのさい帯血バンクを利用する場合は、指定の産婦人科の医療機関で、さい帯血を採取することが可能です。

保存したさい帯血は自分に利用できるか?

妊娠中の女性が、出産時にさい帯血を希望する場合、自分や家族の治療のために利用できるか気になる人もいるでしょう。自分のさい帯血を治療で利用するためには、民間のさい帯血バンクに保存する必要があります。

現在、さい帯血を利用した治療は、白血病など血液の病気の治療と、自由診療の治療に限られています。(なお、最近では個人クリニックなどで、さい帯血を利用した美容治療やがん治療を無届けで行うなどの事件も発生していますので、注意してください。)
一方で、今後、再生医療の技術が発展して、さい帯血の活用分野が広がれば、自分の保存したさい帯血を利用できる可能性もあるでしょう。出産を控えている女性が、さい帯血の保存を考えているのなら、目的や用途、費用について考慮することが大切です。

まとめ

時どき見聞きすることのあるさい帯血は、血液の元となる造血管細胞を豊富に含んでいます。そのため、さい帯血は血液の病気の治療だけでなく、再生医療の新しい治療の可能性があるとして期待されています。さい帯血これから出産を控えている女性で、さい帯の保存を希望している人は、自分や家族がどのような目的でさい帯血を利用したいのか明確にして、保存先のバンクを決めるようにしてください。


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