再生医療の豆知識

筋トレとAGAによるハゲとの関係は? 間違った筋トレはハゲを進行させる

2019年02月19日

ハゲになる原因はAGA以外にも加齢、薬剤、円形脱毛症など色々あります。
なぜ、筋トレがAGAを進行させるといわれているのかといえば、「筋トレが男性ホルモンを増加させる」からで、AGAとは「男性ホルモンつながり」が起因になっているようです。
筋トレがAGAを進行させる、ハゲの原因となる……これらのエビデンスを示す研究論文は現在のところ見当たらず、都市伝説ともいわれています。

そこで、筋トレはAGAを進行させるのかということだけでなく、筋トレ自体にハゲを誘発する要因があるのかを検討していきます。

筋トレはAGAを進行させない

筋トレはAGAを進行させない
筋トレは男性ホルモンであるテストステロンを増加させます。
AGAはテストステロンが5-αリダクターゼによってDHT(ジヒドロテストステロン)に変えられてしまい、このDHTの増加によって進行します。

テストステロンの増加でAGAが進行するとよく勘違いされるのですが、そうではなくDHTという男性ホルモンの増加でAGAが進行します。
進行するといっても、DHTが増加するだけでは進行しません。AGAは男性ホルモン受容体に結合することで発症します。

男性ホルモン受容体の前にDHTに変換する前のテストステロンとDHTが存在していたら、男性ホルモン受容体は迷わずにDHTと結合します。
なぜなら、DHTのほうがテストステロンよりも男性ホルモン受容体との結合力が10倍近く強いからです。この結合力の強さは遺伝が関与しているといわれています。

これでまず、AGAの進行はテストステロンが増える筋トレではないことがわかりましたね。
しかし、まだ、疑問は残っています。それは、テストステロンがDHTに変換するのはどんなときなのかということです。

それはテストステロンが減少したときです。テストステロンの減少を少しでも補充しようと活性の強いDHTに変換していきます。
先程から何度も述べていますように筋トレはテストステロンを増やすため、DHTに変換する必要がありません。
AGAの発症や進行にDHTが関与していることから考えると、テストステロンを増やす筋トレはAGA発症や進行を促すことには繋がりません。

では、筋トレ以外でテストステロンを増やす方法、あるいはテストステロンを減少させる原因を検討してみましょう。

テストステロンを増やす方法は身近にある

別に特別なことをするのではなく、カロリーを摂り過ぎることなく、バランスの良い食事をし、規則正しい生活習慣を心がけることだけでもテストステロンを一定量キープできるし、より心がけることで増加も可能です。

たとえば、テストステロンのような男性ホルモンを増やす効果のある亜鉛(例:牡蠣)。アルギニン(例:魚介類や牛肉)、ケルセチン(例:タマネギ)などを意識して摂るといいですね。
また、太ると男性ホルモンは減少し、薄毛になりやすいので要注意です。筋トレなど本格的な運動ではなくても、太らないように適度な運動も「あり」です。

過剰なストレスも男性ホルモンを減少させるといわれており、ストレスを溜めないリラックスした生活も重要です。

その他に、適度な飲酒は男性ホルモンを増加傾向に導きますが、過剰な飲酒、特にビールには男性ホルモンの分泌を抑制するナリンゲニン(フラボノイドの一種)が含まれています。
ロング缶3本以上、毎日飲んでいると、男性ホルモン減少の影響が出ると考えられています。

では、筋トレを男性ホルモンの面からではなく、筋トレによって筋肉が増えていく過程で薄毛やハゲに関与していることがあるのかを検討してみましょう。

筋トレする場合、栄養バランスを考えなければ、ハゲやすくなるかも

筋トレする場合、栄養バランスを考えなければ、ハゲやすくなるかも
薄毛やハゲは遺伝も大きく関与しているのは事実ですが、だからといって何も考えずに乱れた生活を送れば、遺伝の影響以上にまた、薄毛の遺伝体質でなくても薄毛は始まってしまうことでしょう。
筋トレも続ければ、確かに男性ホルモンは増えていきますが、栄養状態が悪いままに筋トレを続けると、筋肉を作る材料がなくなり、薄毛も進行します。

それはなぜでしょうか?
髪はタンパク質で作られていますが、筋肉もタンパク質が材料です。
筋トレをして筋肉を増やそうとするわけですが、そのとき、筋肉の材料であるタンパク質が必要になります。
筋トレを続けると、筋肉を構成している筋線維がダメージを受け、傷付きます。
傷ついた筋線維は休養や栄養を適度にとることで修復されますが、修復された筋線維は傷つく前よりも太くなっています。
この繰り返しで筋肉量が増え、筋肉質な肉体を得るのです。

傷ついた筋肉を修復するのに必要な主な栄養素はもちろん、タンパク質であることはいうまでもありません。

このときにタンパク質不足が続くと、髪に使われるタンパク質が筋肉の修復に使われてしまうことに。
生命の維持に、ほど遠い髪への栄養補給は後回しです。
発毛するためには、毛母細胞を頻繁に分裂(増殖)させなければいけません。分裂のエネルギー源もまた、タンパク質をはじめとするバランスの取れた栄養物質です。

従って、栄養、特にタンパク質不足状態で筋トレを続ければ、薄毛やハゲを誘発することになりかねません。
しっかりとタンパク質(場合によってはサプリメント)を十分に摂ることで、筋肉量の増加だけでなく、薄毛、ハゲ防止にも期待ができることでしょう。

ちなみに、筋肉を効率よく増やそうと、筋肉増強剤といわれるアナボリックステロイドを使い過ぎると、副作用として薄毛を進行させることになります。
できることなら避けたい薬剤であり、個人輸入などで入手して自己判断で使用するにはとても危険な薬剤です。
どうしても必要であれば、専門医の監視下で使用しましょう。

※アナボリックステロイド:タンパク質を合成するホルモン(タンパク同化ホルモン)。男性ホルモンの働きをもち、ドーピング薬物として知られている。
乱用で肝機能障害や薄毛などの副作用に見舞われる。

まとめ

いかがでしたか?
たしかに女性よりも男性のほうが男性ホルモンは圧倒的に多いため、男性ホルモンの多さが薄毛やハゲの原因と考えたくなるのも不思議ではありません。

AGAは一番、男性ホルモンが多い20代から減っていく30代あたりから発症(中には30代以下の発症もありますが)します。乱暴な言い方が許されるなら、この変動に反応した結果がAGAと考えることができます。

従って、筋トレに限らず、男性ホルモンを増やす所作は薄毛やハゲとは無縁だった20代の頃に近付こうとすることです。
筋トレは無酸素運動の一つで有酸素運動以上に心肺機能に負担をかけるため、やり過ぎて健康を損なうことがないよう、栄養を十分に摂りながら励みましょう。


^