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「ストレスが続いたあと、身体のあちこちの疼痛が続く」「原因不明の激痛が、痛み止めを飲んでも治らない」「痛みが続くので慢性疲労症候群も併発してしまった」
こんな病状に悩まされる、線維筋痛症。身体の広範囲に渡る痛みが3ヶ月以上続き、同時に疲労感や倦怠感、うつ症状、しびれなどの症状を伴うことが多い疾患です。
病院で一般的な検査をしても異常が見つからない難病で、治療は痛みを和らげるための薬物療法が中心となります。
また最近の研究により線維筋痛症と腸内環境や歯科金属との関係が解明されてきたため、最新治療法として腸内マッチング治療法も注目を集めるようになりました。有効と思われるサプリメントについても情報を求める声が増えてきています。
線維筋痛症とは
1990年代に線維筋痛症という病名が認識されるまで、心因性リウマチや結合関節炎などさまざまな病名で呼ばれてきました。
病院で検査をしても異常が見つからないため精神疾患として捉えられることもあり、患者さんは慢性的な激しい痛みに加え、精神的な苦痛も強いられてきたのです。
TV番組の「ためしてガッテン」などでも取り上げられ、またブログなどで病状を公表する罹患者が増えたことから近年認知度も高まってきました。
日本にも約200万人もの罹患者がいるとのデータもある実は身近な病気のひとつです。発症年齢は子供から大人まで幅広い層に渡りますが、女性の罹患者が多い傾向にあります。
病院での一般的な治療において症状の緩和は望めますが、線維筋痛症の原因そのものはまだよく解明されていないため、薬物療法などによる対症療法が中心となります。
治療によって治る、治ったという患者さんもみられる病気ですので悲観的にならず、前向きに治療に取り組むことが大切です。
線維筋痛症の症状
線維筋痛症は病院での一般的な血液検査や画像検査においてこれといった異常が見つからない、原因不明の全身の痛み(疼痛)が特徴の病気です。
さらにはドライマウスやドライアイ、関節の痛み、倦怠感などを伴うことが多く精神的にも不安定になりやすい傾向にあります。疼痛は次第に広がって強くなります。
軽い痛みの域から、生活に支障が出るほどの人まで痛みの度合いは人それぞれですが、初期症状、前兆として特定の部位の痛みがなかなか治まらないようであれば、早めに病院で受診するようにしましょう。
しかし診断が難しく、いまだに線維筋痛症という病名にすらたどり着けていない患者さんも多数と考えられます。何科を受診するのかわからないという声も多いのですが、リウマチ科(膠原病科)を中心に受診していただくのが良いでしょう。
線維筋痛症の症状
- 全身の痛み(疼痛)
- 関節痛
- 倦怠感
- 疲労感
- 睡眠障害
- 便秘、下痢など過敏性腸症候群
- 頻尿
- 不安感、うつなど精神症状
- 肩こり、こわばり、筋肉痛
- 口や目の乾燥
- 耳鳴り、めまい
など
全身のあちらこちらに原因がわからない痛みが発症します。痛みのレベルは、リウマチを遥かに凌ぐ飛び抜けたものとなっており、常に骨折レベルの痛みを抱えている患者さんも少なくありません。
慢性的な痛みが続くことにより精神的に追い詰められやすく、痛みのケアと同時に精神科を受診している患者さんも多い病気です。痛みで熟睡できず、疲労感や倦怠感が拭えないことで、気持ちの落ち込みが激しくなると精神的に影響が大きく悪循環となります。
小さな良い出来事にもしっかりと目を向けて前向きな気持で治療に取り組むことも改善への一歩と言えます。
線維筋痛症の一般的治療法
線維筋痛症の治療は薬物療法が中心となります。まだ特効薬と言えるものは無いのが現状ですが、一気に治すということが目標ではなく段階的に痛みの度合いを下げていくことを目指す治療です。
それにより、睡眠障害や疲労感、うつ症状などを緩和し、さらなる改善へと繋げていきます。例えば痛みのレベルが10段階の状態では日常生活は痛みとの戦いが中心となりますが、7段階であれば簡単な身の回りのことは自身でこなせる。
4段階なら外出して散歩やランチを楽しむことができる、0段階で完全に復帰できるといった流れです。薬物療法と軽い体操や気分転換など生活療法の両方から改善を目指すことが好ましいと言えます。
線維筋痛症に使用される薬
一般の病院での治療は疼痛を緩和するための薬物療法が中心がとなります。特効薬というものはいまだに無く、薬局で手に入るような非ステロイド系鎮痛剤も大半のケースにおいてほとんど効果は望めません。
線維筋痛症は症状を見ながらどの薬が適しているか、細かいチェックが重要です。線維筋痛症に用いられる主な薬をリストアップしてみました。薬の性質と薬と患者さんとの相性にもよりますが、副作用として吐き気や眠気を伴うこともあります。
- プレガバリン(商品名:リリカカプセル)…線維筋痛症向けとして日本で最初に認可された、保険収載された薬。疼痛治療薬。
- 塩酸ミルナシプラン(商品名:トレドミン)…セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬。
- トラムセット(商品名:トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合剤錠...慢性疼痛
- デュロキセチン塩酸塩(商品名:サインバルタ)...セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
- ミルタザピン(商品名:レメロン、リフレックス)…ノルアドレナリン作動性・特異性セトロニン作動性抗うつ剤。
- マレイン酸フルボキサミン(商品名:ルボックス、デプロメール)…選択的セロトニン再取り込み阻害薬
- アルブラゾラム(商品名:コンスタン、ソラナックス)…抗不安剤
- アミトリプチリン(商品名:トリプタノール)…三環系抗うつ剤他
- 塩酸ミアンセリン(商品名:テトラミド)…四環系抗うつ剤
他に漢方薬が処方される場合もあります。免疫力が弱い人に補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、肩こりがひどく疲労感を感じやすい更年期の女性に加味逍遙散(かみしょうようさん)など。
薬剤は治療の目的に応じて処方されますし、処方された薬の効果があまり感じられない場合も次の段階の薬があります。症状に応じた薬を適切に服用しましょう。
線維筋痛症で注目されるサプリメント
まず挙げられるのはマグネシウムやリンゴ酸マグネシウムです。線維筋痛症の患者さんは細胞内のマグネシウム濃度が減少しているとの報告があり、適量の摂取は好ましいと言えます。
また「dリボース」というミトコンドリアにアプローチするサプリも線維筋痛症の患者さんの間でよく服用されています。
当クリニックでの線維筋痛症の治療法
線維筋痛症は免疫異常と自律神経のアンバランスも原因の一つと考えられます。免疫細胞はその多くが腸にあるため、腸内環境の状態や細菌叢のバランスアップは不可欠です。
線維筋痛症は原因が分かりづらく、完治も難しいため痛みの辛い時間が長く続き、精神的にもダメージを受けやすい病気です。また、一般の病院では薬物療法による対症療法が主となるため、根本的治療にはなかなか結びつかないのが現状です。
当クリニックではゲノム・フローラ等の検査によりオミックス医療で口内はもちろん全身、腸内などをチェックした上で原因と治療法を見極めて参ります。
当クリニックでは線維筋痛症に対し、最新の「腸内フローラ治療」を行なっております。腸内フローラ治療とは腸内フローラの細菌種をくまなく調べて、菌体のバランスをとる治療法です。
腸内フローラ検査によってどのような腸内細菌叢、すなわちどんな菌がどのようなバランスで生息しているかを検査し、内服あるいは移植による乳酸菌マッチングさせます。
当院では血液と菌体をあらかじめ相性のよい菌体をラボで調べ、そのマッチングにより適合した清潔な菌体を内服していただく方法を採用しております。
また、歯科治療による歯科金属などが原因で痛みを引き起こしているケースも多いため、検査の上、必要に応じて歯科金属の取り出しも行います。
オーダーメイドの治療法だからこそ到達できる痛みから解き放たれる心地よい日々。線維筋痛症の根本からの改善を目指しませんか?